＜厚労省より＞平成27年下半期の安全衛生対策の推進について

公開日：2015.08.26

　製造業における労働災害の発生状況につきましては、昨年は上半期に被災者数が前年比で大幅に増加し、８月の労働災害のない職場づくりに向けた緊急対策をはじめとする関係各位の精力的な取組の結果、下半期においては災害は減少しましたが、残念ながら通年では、休業４日以上の死傷災害が前年を上回る結果となりました。平成２７年上半期においても引き続き減少傾向にはあるものの、第１２次労働災害防止計画（平成２５年から平成２９年までの５か年計画）の目標達成に向けて、更なる取組が必要です。

　業務上疾病の被災状況を見ると、長期的には減少していますが、平成２６年は前年と比較して業務上疾病による死傷者数が増加しており、とりわけ製造業では腰痛が７６０件発生し、前年から約１割増加している状況です。また、平成２６年度の精神障害の労災支給決定件数が４９７件と過去最多となり、製造業はこのうち８１件を占めるなど、職場におけるメンタルヘルス対策や過重労働対策も重要な課題となっています。加えて、化学物質による眼等の薬傷・やけどなど、保護眼鏡等の基本的な保護具の着用があれば予防できる重篤な災害も依然として発生しています。

　このため、厚生労働省においては、平成２７年度「全国労働衛生週間」（準備期間：９月１日～９月３０日、本週間：１０月１日～７日）、過労死等防止啓発月間（１１月）等の機会をとらえ、平成２７年下半期を通して職場の健康と安全の取組を促進していくこととしています。

業界一体となって、特に次の重点事項に取り組んでいただきますよう特段のご配慮をお願いいたします。

１．腰痛予防対策

　　ア　重量物取扱い作業、立ち作業、座り作業での腰痛のリスクアセスメント及びリスク低減対策の実施
イ　作業標準の策定及び腰痛予防に関する労働衛生教育（雇入れ時教育を含む）の実施

２．化学物質対策

　　ア　化学物質のリスクアセスメントの業務化に向けた環境整備として化学メーカーなどにおけるSDS交付状況の点検及び

　　　　ユーザー企業におけるSDS入手状況等の点検の実施

　　イ　化学物質における薬傷・やけど対策の周知等

３．メンタルヘルス対策

　　ア　平成２７年１２月１日に施行される改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に係る取組への準備

　　イ　「労働者の心の健康の保持増進のための指針」等に基づくメンタルヘルス対策の推進

４．転倒災害防止対策